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メメントモリ。

  • ながみね
  • 2022年10月3日
  • 読了時間: 4分







以下、結構前に書いていたブログ用の文章。

「死」の話題って、何となくタブーな雰囲気があって、嫌な気持ちになってしまう人も居るかも知れない、と公開するのを躊躇していたけど

この間、お世話になっている方達とそんな話になったので載せてみます。

一意見として。






読書感想文。



最近割と常に、死について考えている。


図書館で、何気なく小堀鷗一郎さんと言うお医者さんの本を読んだからです。


どう最後を迎えるか。


それは、自分だけの問題じゃなく

家族や、社会や、行政や、色んな事が関わってくるんだなぁ。


60年前くらいまでは、家にお医者さんが来て、家で最後を迎えるのが普通だったけど


今は、病院で亡くなる方が大半。



死、と言うものが身近じゃなくなっています。


わたしも正にそうで、家族とか身近な人達は

死なない、って無意識に思っていました。


想像がつかない。と言うのかな。


わたしにとって、初めて身近な人の死を感じたのは一緒に暮らしていた祖母の亡くなる時でした。


仕事帰りに、祖母の入院している病院に寄ってごはんを食べさせたり、会話したりしていたけど


日に日に弱って行く祖母を見ているのは、とても辛く

どうしたらいいのかわからなかったです。


祖母は、家に帰りたい。と言っていました。

肺炎になって、

息が苦しい、助けて、こんなに苦しいなら、早くあの世に行きたい。

と言う祖母に何もしてあげる事がない自分。


もう、がんばらなくていいよ。

と言ってあげたかった。


これから、もうこれ以上よくなる見込みも無く

ばあちゃんは何を希望に明日を生きなきゃいけないんだろう。

辛すぎるじゃないか。


しかし、お医者さんにとって、死は敗北。


祖母は結局、家には帰って来れず病院で亡くなりました。


毎日、死ぬって何。生きるって何。と考えさせられました。



最後まで延命して延命して、病院で亡くなるか。

住み慣れた家で、家族に手を握ってもらって亡くなるのか。

好きな場所で、最後まで好きな事をして、自由にひとりで亡くなるのか。


どう最後の時を迎えるのが、自分にとって幸せなのか。



小堀先生みたいな、患者に寄り添って一緒に考えてくれる医師が身近に居るかどうかは、大きいなぁ。と思います。

結局そこが全てなんじゃないか?とも思います。



どう死ぬかを考える事は、

どう生きていくかを考える事。


死は敗北じゃない。


死を身近に感じて

わたしは生きていきたいです。



遺言、書いとこうかな。




最後にわたしの好きな映画 『大病人』 のひとこま、です。






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35



まじめな話をするぞ。

俺はもう、すぐ死ぬんだ。

今の俺にとって1番大事なのは、今から死ぬまでをどうやって生きるか、って事だ。



ーしかしなぁ…。



もう、治してくれなくていいんだよ、先生。

無理して命を伸ばしてくれなくていいんだ。



ーいや、しかし…。



よぉく、考えて欲しい。

お前が俺の立場だったらどうする?

抗ガン剤や放射線で10日や1ヶ月、命を伸ばして欲しいと思うか?

俺がお前の父親でも、同じ治療をするか?

これはお前が本当の医者になるかならんかの、正念場だ。

よく、考えて、答えろ。



ー…俺が、アンタだったら、やっぱり延命的な治療は断るだろうね。

点滴も最小限にする。

そして、痛みだけ止めてもらって、自宅で死ぬだろうね。



点滴少なくすると、どうなる?



ー枯れた様に死んでいく。

だから、痰や咳で苦しまなくてすむだろう。



それだよ、それ!

いい答え持ってるじゃないか。



ーしかし…!



どうした?



ーこわい。

治療をやめる訳だ。

俺…そういうの習ってないから。

治す方なら信念持ってるけど、死なすのは…。




死なすと考えるなよ。

死ぬまでこのじじいを1番よく生かす、と考えろ。


いいんだよ。

こっから先は俺の生き方の問題だ。

君らの管轄外だ。

君らにとって、死は敗北なんだろ?

俺は自分の死を敗北と思いたくない。

やりたい事をやった後、安らかなエンディングと思いたいよ。

うらうらと春の陽の照る中をヒバリが上がる様に昇天したいよ。


それにこれは内緒だけどね、死ぬってそれ程悪くないんだよ。

俺、知ってるんだ。




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写真は、しりあがり寿の「オーイ♡メメントモリ」です。

久々に読みました。

おもしろいです。




















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