風に乗って。
- ながみね
- 2023年3月20日
- 読了時間: 2分

パン屋みちの、北側にあるお家。
満90歳のじーちゃんが、ひとりで暮らしていて
たまにパンを買いに来てくれる。
90歳だけど、何でも自分でやる。
畑も、やる。
トラクターの運転も、やる。
ケートラの運転も、やる。
ゴミ捨ても、やる。
庭の木の剪定も、やる。
今日、剪定した庭の木をとても大変そうにまとめていたので、一緒にまとめた。
じーちゃんは耳が遠いので、私はいつも大抵聞き役だけど
今日は、いろんな話が聞けて楽しかった。
昔、じーちゃんが若い頃、冬はこっちで仕事が無くなるから
東京に出稼ぎに行っていた話や
東京で覚えたのは、競馬だけだ〜の話や
百姓で色んな事に手を出してやってきたけど、たいして儲けられなかった話や
商売すんのは大変だべ、いやでもやってみないと分かんねえからなぁ〜、という話。
パンを買いに来てくれると、いつも
大変だべー?
と言っていた裏には、そういう意味があったんだなぁ、と初めて知った。
じーちゃんは、もうすぐ91歳になるらしい。
長く生きていくのも、大変だ〜。
とぼやいていた。
わたしは笑って、長生きして下さい。
と言った。
聞こえているのか、いないのか
分からないけれど。
みちを始めて、近所の人たちとの交流がめちゃくちゃ増えた。
とてもいいなぁ、と思う。
みんな、私が誰か分かっているのかなぁ?
でも、みんな優しい。
うちは、じーちゃんもばーちゃんももう居ない。
生きてたら、きっと誰より喜んでくれたと思う。
窯に火を入れる前、毎日窯に向かって手を合わせている。
それは、束の間亡くなった人たちを想う時間。
大好きだった人たちを想う時間。
『今日も美味しくパンが焼けるように見守っていて下さい。』
じーちゃんは、お酒を飲みながら。
ばーちゃんは、畑仕事をしているんだろうか。
コウタさんは、音楽を聴いているのか。
先生は、土を捏ねているのかな。
そよそよと吹く、風が私のエプロンを揺らす。
みんなが笑って、みちを見てる。
写真は、朝日を浴びて浮かぶ山々がきれいだった。です。
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